もはや芸術品とまで思えるこのウォシュレットのノズルの長さは、6.1cmと言う。
では、何故6.1cmになったのか?その開発秘話を調べたところ、TOTO社員の涙ぐましい努力がありました。
ウォシュレットの原型はアメリカから
そもそも私たちがウォシュレットと呼ぶトイレは、TOTOの温水洗浄便座の商品名です。
TOTO以外にも、温水洗浄便座を販売する会社としてINAX(INAXはシャワートイレと呼んでいる)などもありますが、やはり「ウォシュレット」が一般的に普及しています。
そして、そのウォシュレット、もともとは、その原型をアメリカから輸入していました。
TOTOは1960年代当時、アメリカから輸入した医療用便座(ウォッシュエアシート)を医療施設や福祉施設に販売していました。
ところが、アメリカの製品だけあって、温度調節が安定せず、火傷を追う利用者もいたとのこと。
そこで、TOTOは独自に研究開発を重ね、1980年に2機種のウォシュレットを国産化し、販売。これが今の芸術品のようなウォシュレットに繋がっているんですね。
(画像:1980年代、国産化したTOTOの初代ウォシュレット)
1980年代のTOTOのウォシュレットCM(28秒)
1980年当時はトイレに対するイメージは悪く、また食事中の19時台にCMを流したことから、TOTOへのクレームの電話が鳴り止まなかったとか。。。
TOTOのウォシュレットのノズルの長さ
TOTOのウォシュレットはなぜか絶妙な位置に温水がヒットしますよね?
もともと温水洗浄便座はアメリカで発明されたものですが、日本人にとっての絶妙なポイントに関する位置データは存在していませんでした(それは当然ですよね)。
そこでTOTOのウォシュレット開発社員が取った行動は・・・
TOTO社員の肛門位置データを収集する、ということ。
どうやってデータを収集したかと言うと、社員に針金をはった便座に座ってもらい、座った時に針金上のどこに肛門が来たかを調べるという方法。なんともアナログな方法です。
(画像引用:http://allabout.co.jp/gm/gc/42491/)
これはもちろん、TOTOの女性社員も調査対象内。中には「恥ずかしい」と嫌がる女性社員もいたとか。
でも、TOTOの開発社員の真剣な意気込みに心を打たれ、最終的には男女含めて300人以上のデータを収集できたとのことです。
まとめ
革新的な商品の裏には、開発者の涙ぐましい努力と色々な方の協力があるもの。
本記事では、肛門データの収集方法にフォーカスを当てましたが、他にも「お尻に快適なお湯の温度」や「どうやってお尻にお湯を当てるか?」「噴射角度は何度がいいのか?」というデータ収集も地道に行い、結果的に、以下のデータを導き出したそうです。
数々の体を張った実験の末に・・・
・お湯の温度は38度
・便座の温度は36度
・乾燥用の温風は50度
・お湯の噴射角度は43度
このあたりについてもっと知りたい方は、以下の記事をご覧いただければと思います。面白かったです。
ウォシュレット開発ストーリー【前編】
ウォシュレット開発ストーリー【後編】
わたし達が普段使っている温水洗浄便座は、涙ぐましい開発担当者の体を張った努力と、様々な方の協力があって産まれたんですね。
日本に来日した外国人の方が「Amazing!!」とウォシュレットに驚いていたら、この開発秘話を教えてあげましょう^^