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お風呂に入ると風邪が悪化するから入らないこと!!
子供の頃に母親からそう教わった方も多いのでは?
ヘッド1

なんとなく信じていた方もいると思いますが、これは正しくないです。
ということで、赤ちゃんや小さい子供がいらっしゃる親御さんのために、風邪とお風呂の関係についてまとめてみました。


『風邪を引いたらお風呂に入らない』は日本だけ

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小児科のお医者さんが、子供を持つお母さんから良く聞かれる質問は、これです。
「赤ちゃんや子供が風邪を引いた時には、お風呂に入ってはいけないと聞いたのですが、どうしたら良いでしょうか?」

答えは、「風呂に入ってもOK。ただし、正しい入り方で。」です。
理由は後述していきます。

さて、日本の非常識は世界の常識ということで、まずは海外に目を向けてみましょう。

欧米では、『風邪を引いた時は体温より少し高い程度のお湯での半身浴』が推奨されています。さらに、風邪の時用の入浴剤まであるようなので、日本とは全く異なります。

中には、『風邪を引いたら水風呂』なんて慣習もあるとの話ですが、これは危険なので信じない方が良いです。


日本だけ『風邪=風呂に入るな』になったのはなぜ?

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では、なぜ日本では風邪を引いたら風呂に入るな、だったのでしょうか。
ポイントは2つです。


室外のお風呂(銭湯含む)と湯冷め

それは、昔は日本の風呂は室外にあったことや、風呂と言えば銭湯という習慣があったことが理由の一つです。
いずれも、お風呂から上がった後の温度差によって、「湯冷め」してしまうからです。
「湯冷め」をしてしまうことで肺炎を起こすことが多かったので、「風邪の時は風呂に入るな」と親から子供へ受け継がれていったものと考えられます。


熱いお湯による体力消耗

昔から日本でお風呂が推奨されない理由にはもう一つあります。
昔は熱々の風呂に入る習慣があったことです。温度調整ができない銭湯にもなると、なおさらですね。
熱いお湯に入ってはいけない理由は、『体力を消耗する』からです。

なぜ、熱いお湯に入ると疲れるのか?

熱いお風呂(42度以上のお風呂)に入ると、血圧が急激に上昇し、交感神経が刺激されます。交換神経は、体を活発に活動させる時に働く神経で、血圧上昇、心拍数の上昇、発汗といった作用をもらたします。

心臓が早く動けば、それだけエネルギーを大量に消耗します。とにかく、疲れるわけです。また興奮を促すアドレナリンも分泌されるため、眠れなくなることもデメリットです。

ただでさえ、風邪によって体力を消耗している中で、熱いお風呂に入ることは、それだけでデメリットになります。


アメリカでお風呂が推奨されるのは?

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さて、ここでアメリカのお風呂に入り方について、視点を移したいと思います。
アメリカの入浴環境は、日本のように風邪を悪化させる入り方ではありません。
具体的には、以下のとおりです。

・暖房設備が整っており、家の中での温度差が小さく、湯冷めしにくい
・基本的にシャワーで、バスタブを使ってもぬるま湯のため、日本式の熱い風呂のように体力を消耗することはない

出典:アメリカ人は風邪をひいても風呂へ入る


まとめ

とどのつまり、風邪に対して悪いのは『風呂に入ること』ではなく、『湯冷め』『体力消耗』だったわけです。

むしろお風呂は、副交感神経を刺激し、新陳代謝を活発化させる38度〜40度の温度であれば、風邪を早く治す方向に働きます。もちろん、高熱が出ていて体力を消耗している時は入ってはいけない、などの留意点はありますが。

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ということで、以下からは、上記に留意した「正しいお風呂の入り方」を紹介していきます。

【関連記事】風邪を引いた時の【正しいお風呂の入り方】と【注意点】。

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