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エボラ出血熱という病気をご存知でしょうか?主にアフリカで流行する致死率の高い病気です。

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映画「アウトブレイク」でも、エボラウィルスの感染により、町が壊滅していく様子が描写されたので、とにかく恐ろしさを知っている方も多いかもしれません。

この記事では、エボラ出血熱はどのような病気なのか? 日本人への感染の可能性はどれくらいか?
などを、簡単に紹介したいと思います。


エボラ出血熱とは?

エボラ出血熱とは、主にアフリカで流行する急性のウィルス性感染症です。

ウィルスが原因の病気であるため、一般的な抗生物質などは効果がなく、特効薬がない恐ろしい病気です。さらに、ワクチンもなく、現状は打つ手なしの状況です。

ウィルスというのは必ず、そのウィルスが宿主がいるのですが、このエボラウィルスの場合は、コウモリとのこと。
(インフルエンザの場合は、トリやブタが宿主になります)

このエボラウィルスが、コウモリ → サルまたはゴリラ → ヒト という順番に宿主を変えていくことで、人間への感染に繋がります。

気になるのは、ヒトからヒトへの感染ですが、こちらはインフルエンザのように空気感染はしないので、パンデミックレベルに騒ぎにはなりにくいです。

実際にアフリカでのエボラ出血熱の感染家路は、感染者の血液を介したり、医療器具を使い回すことにより広がっていると言われています。

ということで、生活環境や医療環境が整っている日本やその他先進国では、爆発的に流行するようなことはまずないと言えます。


エボラ出血熱の由来・語源とは?

このエボラ出血熱という病気が見つかったのは、1976年のスーダン(現在の南スーダン)です。

今から数十年も前なので、実はかなり歴史の長い病気です。

初めの感染者の出身地付近の「エボラ川」の名前を取って、エボラ出血熱、そしてその原因であるウィルスがエボラウィルスと名付けられました。

エボラ出血熱のこれまでの死者数は、数十年で約1,600人。

同じくアフリカで流行するコレラやマラリアなどは1年間で数十万人の方が亡くなっています。

そう考えると、エボラ出血熱は実は致死率は高いものの、そこまで脅威のある病気ではないと言えます。


日本人への感染の可能性は?

さて、気になるのは、このエボラ出血熱の日本人への感染の可能性です。

結論から言うと、日本で生活している限りはほとんど感染しないだろうと思います。

エボラ出血熱は血液感染が主であるため、医療技術や衛生観念の発達していない地域で流行します。

そういった流行地へ旅行しており、たまたま、感染者の血液に触れてしまったという状況にならない限りは、まず感染はしないと考えられます。

以下は、エボラ出血熱の感染経路に関する引用(国立感染症研究所)です。


感染者や検体と接触した人のみに対応すれば十分で、疑い患者の血液等を素手で触れないこと(手袋を必ず使用する)が重要である。
空気感染はないとされているが、飛沫感染は否定できない。
引用元:国立感染症研究所

仮に、感染した方が日本に帰国した場合で、血液感染で周囲のヒトに移ったとしても、大きな問題にはならないと思われます。

というのも、日本ではエボラ出血熱が持ち込まれたと判明した場合、患者の隔離等の措置がとられ、感染経路がシャットアウトされるので、気づかないうちに全国へ広がるということは、限りなくゼロに近いでしょう。

ということで、致死率は高いものの、感染経路が空気感染でない点で脅威になるものではないと筆者は考えています。

ただ、エボラ出血熱の発生地域、かつ衛生環境・医療環境が不十分な所に旅行される際は、十分に気をつけましょう。

関連記事はコチラ:エボラ出血熱、日本人感染例はない? アフリカで流行した時の事例とは?

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