西アフリカでエボラ出血熱の感染拡大が続いています。
致死率が90%に達する同感染症は「西アフリカで制御できなくなっている」と、国際医療支援団体「国境なき医師団」の関係者からも警告がされており、問題は深刻化しています。
また、現地を訪れた米国人観光客数十人の感染が確認されたと報告されており、西アフリカ以外にも感染が拡大する可能性が示唆されています。
そんなエボラ出血熱について、日本人への過去の感染例と、アフリカでの過去感染事例を調べてみました。
日本国内への感染例はあるのか?
気になるのは、日本人のエボラ出血熱の感染例ですが、日本国内はもちろん、アフリカ在住の日本人の中でも「感染無し」です。
過去にアフリカ旅行者の中で、エボラ出血熱感染例が一度あったと報告されていますが、その際は重傷化せずに退院されたとの事です。
ちなみに、ずいぶん昔の話のようで、当時の感染者の性別や感染年などは現時点では公表資料がありません。
一方で、日本人の感染例はなくても、外国人によって国内に持ち込まれるのでは?と心配される方もいるかもしれません。
が、日本の法律で、エボラ出血熱患者は日本国内の上陸を拒否されるようになっているので、ここも問題ないでしょう。
後は、可能性として考えられるのは、食用猿などの輸入でエボラウィルスが国内に入り込む危険性です。
日本国内で初めてエボラ出血熱で感染者が出る例としては、こういった検閲をくぐり抜けたサルまたはチンパンジーを介する事例だろうと私は考えています。
エボラ出血熱の過去の感染事例とは?
過去事例では、エボラウィルスに感染して死亡したサルやチンパンジーなどに接触し、ヒトでの初めての感染者がでるケースが多いです。
その後の感染は、アフリカの不整備な衛生環境下での医療行為や、現地ならではの慣習により、拡大していくようです。
例えば、2000年のウガンダでの感染拡大では、死者の葬儀の習わしで、血液に触れる機会があったことから、そこから急激に拡大しています。
2000〜2001年ウガンダ:
スーダンとの国境に接する北方地域のグルで10月に始まり、南のマシンデイ(27例)や遠く離れたムバララ(5名)でも発生し、計425名の患者と225名の死亡者(53%)を出して過去最大の流行となった。
他地域への感染の拡大は、グル地区 で行われた葬式に参加した感染者や家族内感染者が国内移動したことによる。
死者の清拭や、葬儀の際の死者とのお別れの儀式による血液や体液との接触が感染 拡大の原因である。
引用元:国立感染症研究所
また、過去の流行事例を見ていると、マスクや手袋の不足による医療関係者への感染も多く見られています。
日本ではあまり考えられませんが、エボラ出血熱を防ぐには、まずはマスクや手袋を始めとしたの基本的な物資の充実が必要不可欠です。
WHOも物資や医療チームを現地に派遣すると言っていますので、早く終焉に至ることを期待しています。
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