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恵方巻きが全国区になった背景には、一人の仕掛人がいました。
野田さん

「節分は恵方巻き」は関西の習慣で、もともと関東での知名度は低かったはず。
そんな恵方巻きをビジネスとして全国区にした方がいます。

当時、29歳の「野田」さんです。「野田さん」とは、どんな人物なのか?調べてみました。


恵方巻きは10年くらい前までは誰も食べていなかった!?

節分には恵方巻きを食べるという習慣が全国区で定着したのは、実は最近のことです。恵方巻きビジネスの仕掛人について語る前に、まずは以前の状況を知る必要があります。


恵方巻きは10年前は食べていなかったというつぶやき

「恵方巻」について、心理学者で、帯広畜産大学の渡邊芳之教授は自身のツイッターで、「恵方巻なんて10年くらい前まで誰も食べていなかった」と、つぶやいた。

渡邊氏は「われわれが『いにしえからの伝統』みたいに思っていることには明治以降とか昭和になってから一般的になったものもたくさんある」

そんなつぶやきに、「大阪生まれですが恵方巻を知ったのは成人後です」と、関西でも定着してきたのはごく最近になってから、という声もみられる。

出典:昔は見かけなかった「恵方巻」 コンビニが流行らせ、すっかり定着 ; http://www.j-cast.com/2013/02/04164068.html?p=all


恵方巻きの調査でも、ここ10年で食べるようになったという結果

インターネット調査のネオマーケティングが実施した調査結果で、このつぶやきを裏付けるデータがあります。

あなたはいつから恵方巻きを食べるようになりましたか?【N=321】
アンケート11
出典:アイリサーチ http://www.i-research.jp

この回答で最も多かったのは、「2~5 年前」で 29.3%。次に多かった回答が「6~10 年前」で 25.5%です。
つまり、幼い事頃から食べていた関西圏の方以外は、ここ10年の間で恵方巻きを食べるようになった、ということを示しています。

恵方巻きは昔からの伝統と思っていたのに、実は最近広まった慣習だったとは。。。という驚きの結果です。


恵方巻きビジネスの仕掛人

前置きが長くなってしまいましたが、節分に恵方巻きを食べるようになったのはここ10年の間ということがご理解いただけたと思います。
さて、いよいよ本題に入りたいと思います。

恵方巻きの仕掛人である、野田靜眞(のだ・しずま)氏

彼はどのようにして、恵方巻きを全国に広めていったのでしょうか。
以下のサイトから記事を抜粋しながら、紹介したいと思います。
予約殺到のコンビニ「恵方巻」の意外な仕掛け人を発見! 商品化に至った理由とは?


現在の野田靜眞(のだ・しずま)氏

「恵方巻」の生みの親、セブン-イレブン・ジャパン執行役員、野田靜眞さんは、現在53歳。
恵方巻を仕掛けた24年前の1989年は、まだ29歳だったそうです。

2013年5月現在のセブンイレブンジャパンの役員一覧
役員一覧

現在は執行役員まで出世されている野田さん。

その評判は「熱血漢」「体育会系」「熱いものを持っていながらリーダシップもある」「ナイスガイ」「チャレンジャー」と、まさに仕掛け人にふさわしい人物だったそうです。

恵方巻きの大ヒットは伊達ではないというわけです。


恵方巻きが初めてコンビニ並んだのは大阪ではなく広島

恵方巻きの風習は、戦後に一時廃れた後に大阪海苔問屋共同組合が復活させた話は、以下で書かせていただきました。
【関連記事】恵方巻きの食べ方と今年の方角は?食べる前に語源と由来もどうぞ。
しかし、これはあくまで関西での話です。

実は、恵方巻きが全国区になるきっかけは、大阪ではなく広島のコンビニからでした。
1989年の広島のとあるセブンイレブンの店舗。ここからでした。


29歳当時の野田靜眞氏

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29歳当時の野田さんは、広島のOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)という肩書きでした。セブンイレブン本部と加盟店の橋渡しをする仕事です。

野田氏は当時、広島市にある加盟店7~8店舗を担当するOFCだった。
OFCとは、加盟店を巡回しながら、商品知識や品揃え、店舗運営全般に関する経営のアドバイスをする仕事だ。
店と本部をつなぐエージェント的な存在であり、加盟店オーナーと一緒になって売り上げを伸ばして利益を上げるよう努力する。
人当たりが良くなくては務まらないし、提案力や発想力が求められる。

九州男児だった野田さんは、実は「恵方巻き」を知らなかったそうです。そんな野田さんが「恵方巻き」はイケると閃いたのは加盟店オーナーとの会話からとのこと。

ある時、九州男児の野田さんは、加盟店オーナーとの会話の中で、「大阪には節分に恵方巻を食べる風習がある」と知った。
初耳だった。がしかし、その瞬間、ピンッと来た。
「仕掛けてみよう!」

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上記は現在のイメージ写真です。

当時常識であった切ってある太巻きではなく、「切れていない太巻き」を本部に注文。
もちろん、当時広島には恵方巻きの習慣などありませんでした。
加盟店のオーナーと野田さんは、恵方巻きをお客さんとのコミュニケーションの一貫として位置づけ、売っていったそうです。

商品本部には、「切れてない太巻き」と説明して発注した。
まだ「恵方巻」という商品名があったわけではない。
店頭では「切れてない太巻き」を、「恵方巻という風習があるんですけど、ご存じですか? 今年の恵方は~」と声をかけて売った。

既に売れているものではなく、売れるものを自ら考え、自ら売る。そんな商売魂を野田さんから学べます。


まとめ

広島の一店舗から日本全国に恵方巻きを広めた熱血漢「野田 靜眞」氏。
2012年からは、アメリカのコンビニ店舗の統括業務に就任したようです。

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セブン&アイ、米に役員クラス派遣-コンビニ630店出店(2012年4月19日付)
出典:日刊工業新聞 ; http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1120120419aaat.html

セブン&アイ・ホールディングスは4月25日付で、米国のコンビニ子会社、セブン―イレブンに執行役員を出向させる。
米セブン―イレブンに役員クラスを派遣するのは初めて。

米国では今期(2012年12月期)、過去数年で最大の630店の出店を計画しているほか、韓国を手始めに米セブン―イレブンのエリアライセンス先にセブン―イレブン・ジャパン(SEJ)のノウハウを供与する計画。

米セブン―イレブンに出向するのは現在、SEJの執行役員オペレーション本部西東京ゾーン ゾーンマネジャーの
野田靜眞氏で25日付で出向兼関係会社部米国担当に就任する。

恵方巻きの仕掛人、野田さんのアメリカでの次なる一手は何か?

これからの野田さんのご活躍が楽しみですね!

ということで、渡米時には、セブンイレブンを訪れてみたら面白いかもしれません。

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