この記事の所要時間: 141

二つの台風が接近した際に使われる「藤原の効果」という台風用語。

台風用語といえば、熱帯低気圧、暴風域などに馴染みがあり、言葉からも大体予想がつきます。
一方、「藤原の効果」からはどんな効果か検討もつきませんよね。

・そもそも、藤原の効果とは何なのか?
・藤原の効果の語源はどこか?
などなど、調べたことをまとめました。明日の話のネタになりましたら幸いです。


藤原の効果とは

2つの台風が1,000キロ以内に接近した際に、相互作用により複雑な動きをすることがある。
これが「藤原の効果」です。
この「藤原の効果」により、台風が予測できない方向に動くこともあり、気象予報士泣かせの事象のようです。

藤原の効果には、以下の6つの分類があるようです(参考:Wikipedia)。

分類解説
相寄り型弱い方の台風が接近しながら急激に衰弱し、強い方の台風に取り込まれてしまう。
指向型片方の台風が、もう片方の台風を回るように動く。
追従型片方の台風が、もう片方の台風の後ろを追いかけていく。
時間待ち型東側の台風が北上するまで、西側の台風は動きを止める。
同行型2つの台風が並んで進む。
離反型東側の台風は北東へ進み、西側の台風は西へ進む。


藤原の効果の語源

この藤原の効果の語源、藤原なだけに藤原さんが提唱したのでは?
との素人目線の想像は、今回はまさにその通り。

中央気象台(現気象庁)台長を務めた藤原咲平(さくへい)氏が大正10(1921)年、2つの台風の接近した際の動き方を指摘。それ以降、「藤原の効果」と呼ばれるようになりました。

藤原咲平氏
imgres
藤原氏は、渦・雲・気象光学など、気象の幅広い分野において独創的な研究を行う一方、著述などによる啓蒙的な活動にも精力的で、「お天気博士」の愛称で親しまれました。


明日の話のネタに

もし職場でこんな同僚がいたら、優しく解説してあげましょう。

同僚「台風が2つ近づいたら、合体して大きくなってしまうのでは?大丈夫かな?」
→合体することは無いよ。”藤原の効果”で、片方が弱まるか(相寄り型)、予想できない複雑な動きをすることはあるけどね。

同僚「へえ、藤原の効果かあ、平安時代の歌人に出て来そうだね・・・」
→そうそうそう、社会の授業で習った・・、ってそれは藤原定家。ちなみに、鎌倉時代の歌人だけどね。

藤原定家
imgres-1

この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます