花粉症対策としてメジャーになってきた「鼻うがい」。でもやり方には注意が必要です。
小林製薬から「ハナノア」という専用の洗浄液も発売され、ますます注目を浴びている「鼻うがい」ですが、鼻の粘膜を傷めてしまう危険や中耳炎のリスクもあります。
特にお子さんがいる方は、ここで「鼻うがい」のリスクと正しい方法を理解しておきましょう。
鼻うがいとは
花粉が鼻の中(鼻腔)に入ることで、どうしようもないムズ痒さが出てくるのであれば、いっそのこと鼻の中を洗い流してしまえば良い、というのが「鼻うがい」のコンセプト。
最近では日本でも習慣にしている方も増えてきています。
日本でもと書いたのには理由があって、「鼻うがい」は海外でも既に認知されているからです。ちなみに、ヨガの日常的な修行の一つということで、インドでも一般的な習慣のようです。
鼻うがいのやり方に関しては、「鼻うがい やり方」と検索すると、色々と記事がでてきますので、そちらに譲るとして、本記事ではこの「鼻うがい」のリスクを紹介したいと思います。
鼻の粘膜を傷めないように
画像引用:がん情報サービス
鼻うがいを体験した方が口を揃えて言うのが、「スッキリした。気持ちいい」ということ。それはそのはずで鼻腔内に侵入した花粉を洗い流すので、ムズ痒さも一気に解消できるからです。
しかし、ここで一つ気をつけておかねばならない重要な点があります。
それは、スッキリするからと言って、一日に何度も鼻うがいをしないことです。
鼻の粘膜には、花粉やウィルスなどをブロックを除去するためのベルトコンベアーのような繊毛が沢山あり、適度な粘液と一定の温度でしっかり鼻の中の環境が管理されています。
一日に何度も鼻うがいをすることで、この鼻の中の環境が悪化してしまう可能性があります。
ちなみに、鼻うがいをぬるま湯の生理食塩水でする理由も、この鼻の粘膜を傷めないためです。
間違っても浸透圧が人間の体液と異なる「水」でやらないようご留意ください。
さらに水道水で鼻うがいをしようものなら、水道水に含まれる塩素により悪影響を及ぼします。
中耳炎のリスクに注意
右記サイトより画像引用のうえ改変:加賀耳鼻咽喉科クリニックHP
鼻うがいのもう一つのリスクが中耳炎です。
「鼻うがいをした後に、強く鼻をかまないようにように」という注意喚起がされていますが、あれはどういう理由からでしょうか?
上記の画像を見ていただくと分かると思いますが、鼻腔内には耳管(じかん)という鼻と耳を繋いでいる管(くだ)があります。
この管は中耳と繋がっていますので、生理食塩水や洗浄液などがこの耳管を通って中耳まで到達することで、中耳炎になってしまいます。
鼻うがいの注意事項として、「上を向かないように」とあるのは、この耳管に洗浄液が入らないようにするためのものです。
鼻うがいの正しいやり方
上記の注意点でも書いたとおり、水道水ではなく、必ず「生理食塩水」で行うよう注意してください。また、鼻の粘膜を傷めないように、28度〜33度のぬるま湯にすることも忘れずに。
生理食塩水の作り方は以下のサイトで図解されており、分かりやすいです。
鼻うがいの方法
ちなみにこの生理食塩水、作り置きせずに、その都度作る必要があります。非常に面倒です。
ということで、小林製薬の「ハナノア」が結構オススメです。
使用前には以下の使用上の注意を一読しておきましょう。
画像引用:ハナノアの使用上の注意(小林製薬HP)
まとめ
まとめます。
1. 鼻うがいはぬるま湯の生理食塩水で行う。間違っても水道水でやらないこと。
2. 鼻うがいは一日に1〜2回程度が望ましい。頻回にうがいをすると、鼻の粘膜を傷めるので要注意。
3. 鼻うがいによる中耳炎に気をつける。具体的には、鼻うがい時には上を向かないこと。うがい後は強く鼻をかまないこと。
いかがでしたでしょうか。
鼻うがいは比較的手軽にできるとは思いますが、実は正しいやり方を知っておかないと、返って鼻の環境を悪くしたり、場合によっては中耳炎になってしまうこともあります。
特に、勢いよく鼻うがいをしてしまいそうなお子さんは要注意です。
鼻うがいは効果もありますが、使用頻度と方法には気をつけましょう。
ちなみに、鼻に関する花粉症対策として以下のマスクも有用ですのでチェックしておいてくださいね。
【花粉症対策】目立たないマスクが大人気!? ノーズマスクピットという新たな選択肢。