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風邪を早く治すためには、風邪薬と栄養ドリンクの同時併用だ! と言っている人が良くいますが、実はこれはあまり良くありません。

風邪薬と栄養ドリンクの同時飲みがダメな理由

その大きな理由は、肝臓に負担をかけるのと、カフェインの過剰摂取に繋がる可能性があるからです。

そもそも、風邪薬に含まれている成分って何? 栄養ドリンクに含まれている成分は? といった点に触れつつ、詳しく説明していきますね。


風邪薬に含まれる成分とは?

薬局などで売られている一般の風邪薬(OTC薬と呼ばれるもの)は、風邪の諸症状を緩和させることを目的としたものです。

その主成分は、解熱剤(解熱鎮痛剤)、鎮咳去痰薬・抗ヒスタミン剤などです。簡単に言うと、熱を下げたり、咳をとめたり、鼻水をとめたり、という成分のことですね。また、抗ヒスタミン剤は眠気を誘発する効果があるので、それを防ぐためにカフェインを風邪薬の中に配合していることも多いです。

そして、これらの風邪薬の主成分は基本的に肝臓で代謝されますので、風邪薬を飲むと必然的に肝臓に負荷をかけることになります

一般の風邪薬にはそこまでたいそうな薬効成分は含まれていないので、たまに風邪薬を飲む分には問題ありませんが、継続して服用したり、一度に大量に飲み過ぎるのは要注意です。

ということで、ここでは風邪薬は肝臓に負荷をかけること、そしてカフェインも含まれていることを覚えておけばOKです。


栄養ドリンクに含まれる成分とは?

さて、栄養ドリンクの主成分の方はと言うと、タウリン、ビタミンB群、無水カフェイン、それと糖分になります。あとは微量ですがアルコールも含まれています。順番に説明しますね。

タウリン
タウリン●●mg配合というように大体の栄養ドリンク剤で見かけますね。タウリンはアミノ酸の一つでアミノエチルスルホン酸と表示されることもあります。魚介や牡蠣などの貝類や魚の血合いなどに多く含まれている成分で、血圧が高い人は高コレステロールの方、飲酒などで肝臓が疲れていたり、身体のむくみ、息切れといった症状が出る人に効果があります。

ビタミンB群
ビタミンB群は食事から取った糖分やタンパク質などを、活動エネルギーに変換するために必要なビタミンのことです。このビタミンB群が不足すると、とても疲れやすくなります。

無水カフェイン
言わずもがなですが、コーヒーや緑茶などに含まれており、覚醒作用や集中力向上などの効果があります。

糖分
これも皆さんご存知の通り、脳を働かせたり、筋肉などを動かすために必要なエネルギーのもとですね。

アルコール
アルコールは興奮剤と同じ作用があるので、飲んですぐに元気が出ることを狙って配合されています。

ということで、これらの配合成分の中で気になるのは、カフェインアルコールです。


風邪薬と栄養ドリンクの同時併用が良くない理由

さて、冒頭でお伝えしたお話に戻ります。風邪薬と栄養ドリンクの同時飲みがなぜダメなのか?

それは①肝臓に負担がかかることと、②カフェインの過剰摂取に繋がる可能性があることからです。

①風邪薬は肝臓に負荷をかけると書きました。そして、栄養ドリンクに含まれるアルコールも肝臓に負荷をかけます(アルコールを飲み過ぎるとアルコール性肝炎に繋がることもあります)。

さらに、アルコール自体が風邪薬の代謝にも影響を及ぼします。これらの点から、風邪薬とアルコールの同時併用は、肝臓に負荷をかけることになります。

②そして、風邪薬にも栄養ドリンクにもカフェインが多量に含まれていることも問題です。カフェインの過剰摂取は、心拍数の増加,不整脈,動悸など心臓への負荷をかけてしまいます

ということで、風邪薬と栄養ドリンクの同時飲みは実はかなり危険な行為なのです。

どうしても栄養ドリンクが手放せないんだ!という方は、せめてカフェインが入っていないノンカフェインの栄養ドリンクや、アルコールが入っていないものをチョイスしましょう。


まとめ

いかがでしたでしょうか? 風邪を治そうと思っていたのに、逆に肝臓と心臓の病気になってしまったら本末転倒ですよね?

栄養ドリンクには良い面もあるのですが、風邪薬と併用するとデメリットが大きくなってしまうことは是非覚えておいていただけたらと思います。

以上、本記事が参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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