「あなたがリーダーシップを発揮した経験を教えていただけませんか?」
「あなたが考えるリーダーシップとは何ですか?その定義や意味を教えてください。」
そんなことを就職活動の面接、中途採用の面接で聞かれるかもしれません。
逆にあなたが採用側(人事側)だったとしたら、応募者にそう聞くのかもしれません。
では、そもそもリーダーシップって何なのでしょうか?
リーダーとはどう違うのでしょうか?
なぜリーダーシップが大事なのでしょうか?
そういった点をこの記事では明確にしていきたいと思います。
リーダーシップの定義とは何か?
まずはWikipediaでリーダーシップについて調べてみます。すると、こう書かれています。
“自己の理念や価値観に基づいて、魅力ある目標を設定し、またその実現体制を構築し、人々の意欲を高め成長させながら、課題や障害を解決する行動(Wikipedia)”
これをもう少し分かりやすく書くと、こう読み取れると思います。
自分がこうしたい!こうするべきだ!と思うことについて、「具体的な」目標を立てて、諦めずにそれを現実にしていくこと。そして、その過程で起こる色々なハードルを「人を巻き込みながら(かつ成長させながら)」乗り越えていくこと。
これを受けてリーダーシップの具体例まで踏み込みたいところですが、その前にもう一つ、ピーター・ドラッガーの言葉を紹介しておきます。
“リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である(ピーター・ドラッカー『プロフェッショナルの条件』)”
これを分かりやすく書くと、こういうことでしょう。
リーダーシップとは、自分の会社やチームの成るべきことを考えて、それを「誰もが分かるように見える化する」こと。
リーダーとは、自分の会社やチームが成すべきことを踏まえ、「具体的に」目標を決めて、それを達成するために必要な「行動」を洗い出し、その行動の「優先順位」をつける者。
さて、いかがでしょうか?
ピーター・ドラッガーが言うリーダーシップはかなり「企業目線」に近いと思います。一方、Wikipediaは企業に限らず、一般的なリーダーシップ論という印象です。
いずれにしても、リーダーシップのキーワードは、「目標設定」「具体化」「優先順位」「課題解決」「人を巻き込む」「行動」というところになると思います。
ここまでで、ピンと来ているのではないでしょうか?
リーダーとリーダーシップとの違い
さて、リーダーシップを掘り下げていく前に、簡単にリーダーとの違いについても触れておく必要があります。
リーダーシップとリーダーの一番の違いは何でしょうか?
それは、「行動」なのか、「人(役割)」なのか、という点です。
つまり、リーダーとは会社やチームの中で、あなたがリーダーシップを発揮してくださいね、と役割として決められた人ということです。
だから必ずしもリーダーシップを持っているかどうかは分かりません。
良くあるのがリーダーという肩書の人はいるものの、実質的なリーダーは別の人だったりということ。これは、リーダーシップを発揮しているか、していないか?の違いです。
重要なことはリーダーは単なる肩書きにすぎ、最も注目すべきは「リーダーシップを発揮しているか?(リーダーシップという行動を起こしているか?)」ということです。
そして、リーダーシップのある人に共通するのはメンバーから「信頼されている」ということです。
リーダーシップに重要なキーワードは「目標設定」「具体化」「優先順位」「課題解決」「人を巻き込む」「行動」でしたので、当然ながらこれができる人は周りからの信頼も蓄積されていくはずです。
なぜリーダーシップが大事なのか?
さて、ここまで読まれた方はなぜリーダーシップが大事なのか?
なぜ会社の面接でリーダーシップについて聞かれるのか?
なぜリーダーシップが会社に求められるのかが分かったのではないでしょうか?
会社は何もリーダーという役職を欲しいのではなく、リーダーシップという「行動」ができる人が欲しいのです。
なぜそういう人を欲しいか?
それは、「リーダーシップ」を発揮できる人は価値を生むからです。
価値を生むということは、端的に言うと会社に利益をもたらすからです。
何か新しい価値を生み出すには、従来のやり方から脱却しなければなりません。
そしてその過程では必ず様々な課題や障害が発生します。そして、それらはとても「自分一人」では解決できないものです。
だから、会社や組織の使命を考え抜き、自分が成すべきことを可視化し、それを実現するための具体的な目標を設定し、その目標を達成するために必要な行動を洗い出し、優先順位をつけ、自分以外の人の協力を得ながら行動していく必要があります。
このリーダーシップの積み重ねが新たな価値を生み、会社の利益をあげていきます。
どんなことであれ、こういった経験を無意識にでもいいので過去にやったことがあれば、それはあなたの大事な「強み」になりますし、また採用面接などで人事部の興味を引きつけるポイントになるのではないでしょうか。
繰り返しになりますがキーワードは「目標設定」「具体化」「優先順位」「課題解決」「人を巻き込む」「行動」です。
この記事が参考になりましたら幸いです。