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生命保険の起源がギャンブル。そんな意外な起源知っていますか?
もちろん、生命保険のHPには書いていません。企業イメージ戦略上、マイナスですので。
生命保険
・生命保険の起源は?
・日本の生命保険の加入率が高すぎる事実
・ギャンブルと投資の違い
などなど、調べたことをまとめました。


ロイズの起源

300年以上の歴史を持つ英国の生命保険会社「ロイズ」社。
このロイズ社が、もともとどのような起源を持っているかご存知でしょうか。

ロイズ社はもとはコーヒーハウスで、そこに出入りする貿易商や船員に最新の海運ニュースを提供していました。

ところが、イギリスと言えば、なんにでも賭けてしまうお国柄です。
(例えば、スポーツギャンブルなどは有名かと思います。)

その後、コーヒーハウスに出入りする業者が、
「次の船が戻ってくるか?」に賭け始めました。

この賭けの規模が次第に大きくなっていき、組織化していったものが、現在のロイズの起源です。

生命保険会社の起源はギャンブルだったという意外な話です。

〜Wikipediaより引用〜
1688年頃、エドワード・ロイドがロンドンのタワー・ストリートにコーヒー・ハウス(ロイズ・コーヒー・ハウス)を開店。
貿易商や船員などがたむろするようになった。ロイドは顧客のために最新の海事ニュースを発行するサービスを行い、店が非常に繁盛した。
1691年、手狭になり、ロンバード・ストリートの中央郵便局の隣に移転する。次第に保険引き受け業者(アンダーライター)が集まるようになる。


生命保険は古代ローマ時代からあった?

生命保険については、その起源は諸説あるようです。
その一つとして、葬式・埋葬金を積み立てていた古代ローマ時代の話が史実としてあります。

しかし、近代の生命保険と元となるものは、海上保険を扱っていた保険会社が編み出したものだとも言われています。
上記で書いたロイズの時代ですね。

ここで面白いのは、大手の生命保険会社は、ロイズの話、つまり、「生命保険の起源はギャンブル」という点には全く触れていないということです。

まあ、イメージ戦略上、当然と言えば当然ですが。。。
参考までに以下で紹介していきます。

日本生命は、古代ローマ時代を生命保険の起源として、取り上げています。

〜第一生命HPから引用〜
生命保険の起源は古代ローマ時代の埋葬組合「コルレーギア」にみられた相互扶助制度にあるといわれています。「コルレーギア」は、組合員の死後、埋葬費用や遺族の生活保障を行うために互いを助け合うために生まれた制度で、この「相互扶助」の関係は、今も変わることのない保険の基本精神です。

日本生命の方は中世ヨーロッパとしつつも、あくまで「助け合い」という観点からアプローチしています。

〜日本生命HPから引用〜
生命保険は中世ヨーロッパの都市で組織された同業者組合である「ギルド」ではじまったともいわれています。
この「ギルド」では、仲間同士で仕事で困った時の資金援助や、病気やケガで働けなくなった時や、死んでしまったときの遺族への生活援助などをしていました。


生命保険の起源はギャンブル。それであれば?

こんな統計があります。

日本国内の生命保険の世帯加入率は90.3%というデータ。生命保険のシェア1位のアメリカは78%、イギリスは40%です。

日本国内における2009年の生命保険の世帯加入率(個人年金保険を含む)は90.3%であり(※)、シェア1位のアメリカでの生命保険普及率は78%、第2位のイギリスでは40%であることと比較すると日本の生命保険に対する意識は高いと考えられる。
生命保険加入世帯における生命保険(個人年金含む)の年間払込み保険料は、45.4万円である。2007年の世帯別平均所得(556.2万円)から見ると所得の約8%程度を生命保険料が占めていることとなる。
(※)出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」
朝日新聞社(http://www.asahi.com/ad/clients/hokenminaoshi/condition.html)から引用

「日本の生命保険に対する意識は高いと考えられる」、と某新聞社さんは言い切っていますが、残念ながらこの記事を書いた記者さんは的外れとしか言えません。。。

単に、生命保険は投資である、という観点が抜け落ちて、とりあえず入ってしまった方が多い結果でしょう。

「万が一の時のために」「みんなが入っているから」「家族、先輩、上司、生保レディに勧められたから」そんな理由が多いと思います。私の周りもそういった理由で入っています。

少し話が脱線しました。

ところで皆さん、ギャンブルとはどのようなものか知っていますか?
(私は個人投資家なので、「投資」と「ギャンブル」の違いを身を以て体験しています。例えば、株式投資の初心者は、株をギャンブルにしてしまう方が非常に多いです。)

投下資金に対するリターンがどれくらいか?リターンの確率はどれくらいか?きちんとペイするのか?
これを考えずに賭け事を行うのは、ギャンブル、になります。

一方、上記をしっかり計算し、損失リスクとリターンを考え、きちんとペイするのか?
を考えたうえで、賭け事を行うのは、投資、になります。

生命保険も同じですよね。

生命保険をギャンブルとしているか?

生命保険を投資としているか?

入る前に(入ってしまった後も)、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、海外では生命保険は「投資」として捉えられていることを最後に添えさせていただきます。

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