バターはすぐに腐ってしまいますが、マーガリンは腐らないってご存知でしたか?

(出典:http://holisticfaith.com/healthy-living/are-ants-smarter-than-humans/)
マーガリンに含まれているトランス脂肪酸の安全性について、以前からニュースで報道されています。
トランス脂肪酸、マーガリン、プラスチック食品などについて調べているうちに、興味深い実験を見つけましたので、ご紹介したいと思います。
パッと読むための目次
フレッド・ローというアメリカ人の「マーガリン大実験」
フレッド・ローというアメリカ人の「マーガリン大実験」をご存知でしょうか?
マーガリンはプラスチック食品だ、という主張の根拠となっている実験です。
実際に、ここ日本でも様々な記事で紹介されています。
例えば、日刊 勝ち組スポーツ下記の記事です。
〜マーガリンはプラスチック食品〜
トランス脂肪酸に絡んだ、ある興味深いマーガリンの実験があります。
北カリフォルニアで自然食品店、そしてその業界のコンサルティング会社の経営者でもあるフレッド・ローが行った「マーガリン大実験」と呼ばれるものがそれです。
マーガリンの塊を屋外に放置したのですが、2年経っても元のままで、おまけにカビも生えず虫も全くたからなかったそうです。
その実験や分子構造から導かれた結果はなんと、マーガリンはプラスチック食品だというものでした。
出典:日刊 勝ち組スポーツ http://www.kachispo.com/k/1433/
この出典である、フレッド・ローの出典を探してみました。
http://www.youcanwellness.com/wellness-news/scary-food-part-ii/
以下、文献本文を引用します。
Fred Rohe, PPNF Health Journal
Back in 1967 or so…a food technologist told me how he thought the term “plastic food” must have originated. Some biochemist, he speculated, must have observed that when looked at through a microscope, a hydrogenated fat molecule looks very much like a plastic molecule…. “Lipid chemists,” he explained, “actually talk about the plasticizing oils”…I decided to discontinue selling margarine―as well as products containing vegetable shortening, margarine’s cousin―and to perform a little experiment.
It was quite nontechnical…I put a cube of margarine, the kind I had been selling, on the saucer and placed the saucer on the window sill in the back room of my store. I reasoned that if I made it readily available and if it was real food, insect and microorganisms would invite themselves to the feast. Flies and ants and mold would be all over it just as if it were butter….That cube of margarine became infamous. I left it sitting on the window sill for about two years. Nobody ever saw an insect of any description go near it. Not one speck of mold ever grew on it. All that ever happened was that it kind of half-puddled down from the heat of the sun beating through the windowpane, and it got dusty―very dusty, a cube margarine doesn’t clean up very well. Finally, it got to looking so revolting that I decided to terminate the experiment. For me, the experiment had not been fore-shortened; I had reached the conclusion long ago that margarine basically is not food, whether or not it’s like plastic.
Fred Rohe, PPNF Health Journal
From: Nourishing Traditions: The Cookbook that Challenges Politically Correct Nutrition and the Diet Dictocrats by Sally Fallon with Mary G. Enig, PhD (New Trends Publishing 2000, www.newtrendspublishing.com 877-707-1776) pages 142-143.
フレッド・ローの主張に関する考察
上記の文献にあるように、フレッド・ロー氏は、
・実験の結果から、マーガリンが2年経過しても腐らなかった(カビも生えず、虫もつかなかった)
・化学構造や分子構造がプラスチックに似ている
という根拠から、マーガリンはプラスチックだ、と主張しています。
実際は、マーガリンはプラスチック(合成樹脂)ではありませんので、この主張は嘘になります。
マーガリンの分子構造とプラスチック(合成樹脂)の分子構造は、似ていないからです。
詳細は、私の別の記事【トランス脂肪酸】マーガリンが「プラスチック食品」って本当?嘘?でも書いていますので、ご参照ください。
さて、それでは、マーガリンが腐らなかった事実はどうなのか?
これも嘘なのか?とても気になります。
ということで、調べていくと、日本でも実験をしている方がいらっしゃいました。
非常に興味深いので、ご紹介いたします。
実際に、フレッド・ローの大実験をやってみた日本人
マーガリン小実験(641日目)
http://techpr.cocolog-nifty.com/nakamura/cat4363203/
実験開始から1年9ヶ月経過している。ほぼ同じ環境で放置していた。
腐りもせず、カビも生えず、虫も寄らない。
本体はすっかり蒸発してしまい、薄皮のような残留物が残っているようだ。
周囲のラップには部屋の白いホコリがうっすら積もっている。
マーガリンの中に見える黒い小さなものはやはり部屋に舞ったなんらかのホコリが入ったものだと思う。
鼻を近づけると、マーガリンの香料の香りがまだほんのりする。
以下、上記サイトから画像を引用します。
実験に使用したのはダイエー「SAVINGS」ブランドのマーガリン「クリーミー&ソフト」。
木の茶碗にラップを巻いた上に一さじ分のマーガリンを落とした。
■13日経過
「融けて成分分離」の範囲が広がっただけ。虫が寄った様子も、腐敗した様子も、全く見られない。
■1年9ヶ月経過
腐りもせず、カビも生えず、虫も寄らない。
本体はすっかり蒸発してしまい、薄皮のような残留物が残っている。
ということで、マーガリンは本当に腐らないようです。
マーガリンはプラスチック(合成樹脂)ではありませんが、フレッド・ローの主張どおり、確かに腐らなかった。
腐らない食品を我々は毎日、パンに塗って食べている事実。
みなさんはどう受け止めますか?
ちなみに、私はこの事実を知った後は、自分の選択できる範囲内ではマーガリンを控えています。