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正月になると、日本全国でお餅を食べます。
ヘッド

日本人にとっては当たり前の習慣ですが、なぜ正月にお餅を食べるのか?
意外にその理由は知らなかったりしますよね。
ということで、お正月にお餅を食べる理由、由来を調べてみました。


実は日本で初めて作られた米は「もち米」だった

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写真:「旭糯」(もち米、左)と「ヒノヒカリ」(うるち米)の玄米
画像引用:奈良県公式HP  http://www.pref.nara.jp/26486.htm

正月にお餅を食べる理由を考えるには、まずは日本に米文化が渡来した時代に戻る必要があります。

実は、中国から渡来して日本で最初に栽培された米は、ウルチ米ではなく、もち米でした。

ウルチ米はもち米よりも後から遅れて伝わりましたが、結局、ウルチ米の方が普及したのは、日本の気候風土にウルチ米の栽培が適していたからです。

そのため、もち米はほとんど作られなくなってしまったとのこと。


もち米はハレの日の行事食として残った

もともと餅は、ハレの日に神さまに捧げる神聖な食べ物でした。

日本が洋服文化になっても着物がハレ着として残っているように、もち米もハレの日の行事食としての残ったとのことです。そして、

餅は長く伸びて切れない → 寿命も伸びて切れない → おめでたい

といった連想もあり、日本人は祝い事があるたびに餅を食べるようになったというわけです。


平安時代の「歯固めの儀」が由来

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画像引用:http://www.pref.kyoto.jp/shiryokan/documents/dayori158.pdf

では、ハレの日の行事食として残ったのは、いつからなのか?という疑問です。

平安時代に宮中で健康と長寿を祈願して行われた正月行事「歯固めの儀」に由来します(上記画像)。

「歯固め」の儀式は、正月の元日から三日まで、長寿を祈るために、天皇に対して押鮎、大根、瓜、猪宍・鹿宍などを献上する儀式で、清涼殿の昼御座で行われたとのこと。
ちなみに、儀式の時の食事は、全般的に平安時代中期以降は箸をつけるだけで、実際には食べることはなかったそうです。


まとめ

正月にお餅を食べるようになった理由と由来をまとめます。

1. 日本に最初に渡来したもち米だったが、ウルチ米が普及し、今ではほとんど作られなくなった。
2. お餅はハレの日に神さまに捧げる神聖な食べ物であり、その文化が継承された。
3. 平安時代の正月行事「歯固めの儀」をきっかけに、正月にお餅を食べるようになった。

お正月に何気なく食べているお餅。。。でも、

『年神様に供えた「神聖なお餅」を神棚から下ろし、そのお餅をいただくことで、一年の無病息災を祈る。』

そんなありがたい意味が込められているんですね。

お正月にお餅を食べる際には、改めて思い出しながら、ありがたくお餅をいただきたいですね^^

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